こどもの近視について

こどもの近視についてのイメージ写真

お子さんの近視は、遺伝的要因や環境的要因によって起こることが多いと言われています。放置していると、急速に視力が低下し、高度近視に至ることもあります。これに伴い、白内障や緑内障、網膜剥離、黄斑変性症などの病気が起こりやすくなり、治療が難しくなるケースもあるので、早めに対策を講じるようにしてください。当院では、アトロピン点眼やオルソケラトロジー近視矯正治療を行っています。こうした治療により、小児近視の改善が期待できます。

アトロピン点眼

アトロピンは、近視に有効とされる成分が含まれたお薬です。これが低濃度で配合された点眼薬を使用することにより、副作用のリスクを減らしながら近視症状の進行を軽減させることができます。最近は近視治療に採用する医療機関が増えつつあり、当院でもアトロピン点眼を用いた治療を行っています。なお、この治療は近視の進行を抑制するものであり、近視が全く進行しないわけではないことをご承知おきください。

オルソケラトロジー近視矯正治療

オルソケラトロジーは、特殊なコンタクトレンズを装着することにより、近視を矯正させる治療法です。専用のコンタクトレンズを就寝時に装用するだけで、翌朝には視力が矯正され、日中はコンタクトレンズやメガネを使用せずに過ごせます。軽度から中等程度の近視の方、とくに角膜が軟らかい若い方に有効とされています。手術を受ける必要はないので、非常に安全で画期的な近視矯正法です。なお、オルソケラトロジーによる治療を希望される方は、その適応検査を受ける必要があります。

オルソケラトロジーのメリット

  • 日中は眼鏡やコンタクトレンズをつけなくても大丈夫です
  • 手術を行う必要はありません
  • 途中で治療をやめた場合、2週間程度で元の状態に戻ります
  • 角膜の形状に合わせて治療を進めることができます
  • 成長期のお子さんの場合、近視の進行抑制効果も示唆されています
  • 格闘技や水泳などのスポーツ選手にも対応できます など

オルソケラトロジーのデメリット

  • 夜間には専用レンズを装着しなければなりません
  • 強度近視には対応できません
  • 遠視は矯正できません
  • 乱視の患者さんの場合、十分な矯正が難しいです
  • 自費診療なので、患者さんの負担が高くなります など